革製品を選んでいると「タンニンなめし」「クロムなめし」という言葉を目にします。この記事では、革のなめしとは何か、そして2つの代表的ななめし方の違いをわかりやすく解説します。
結論として、なめしとは動物の皮を腐らない丈夫な「革」に変える加工のこと。タンニンなめしは経年変化を楽しめる硬めの革に、クロムなめしは扱いやすく柔らかい革に仕上がります。どちらが上ではなく、性質が違います。
なめしとは何か
動物から取れたままの「皮」は、放っておくと腐ったり、乾いて硬くなったりします。これを薬品や植物成分で処理し、腐らず、しなやかで、長く使える「革」に変える——この加工が「なめし」です。
なめしは革づくりの土台となる工程で、どの方法でなめすかによって、革の硬さ・色・経年変化のしかた・扱いやすさが大きく変わります。
タンニンなめしとクロムなめしの違い
現在の革の多くは、次の2つの方法のいずれか(または組み合わせ)でなめされています。
| 項目 | タンニンなめし | クロムなめし |
|---|---|---|
| なめし剤 | 植物由来のタンニン | クロム(金属)化合物 |
| 質感 | 硬め・ハリがある | 柔らかい・軽い |
| 経年変化 | 大きい。色つやが育つ | 小さい。変化しにくい |
| 水・傷 | やや弱い。手入れが要る | 比較的強い・扱いやすい |
| 製造 | 時間と手間がかかる | 短時間で量産しやすい |
タンニンなめしの特徴
植物に含まれるタンニンでなめす、古くからの方法です。時間と手間がかかりますが、その分、革に深みが出ます。
ハリのある硬めの仕上がりで、使い込むうちに色つやが変化し、自分だけの表情に「育って」いきます。ヌメ革に代表される、経年変化を楽しむ革の多くはタンニンなめしです。一方で、水や乾燥にはやや弱く、こまめな手入れが前提になります。
クロムなめしの特徴
クロム化合物を使う、現在の主流のなめし方です。短時間でなめせるため量産に向き、世界の革の多くがこの方法です。
柔らかく軽い仕上がりで、水や傷にも比較的強く、扱いやすいのが長所です。色のバリエーションも豊富。ただし、タンニンなめしのような大きな経年変化は楽しみにくい傾向があります。
どちらを選べばよい?
なめしの違いは、革製品選びの基準になります。
- 育てる楽しみを求める:タンニンなめし。手入れをしながら、色つやの変化を楽しめます。
- 扱いやすさ・軽さを求める:クロムなめし。水や傷に強く、気軽に使えます。
- 両方の良さがほしい:両方を組み合わせた「コンビなめし」の革もあります。
製品の説明に「タンニンなめし」「クロムなめし」と書かれていたら、その革がどんな性質かを判断する手がかりになります。
よくある質問
なめしとは何ですか?
動物の皮を、腐らずしなやかで長く使える「革」に変える加工のことです。どの方法でなめすかによって、革の硬さ・経年変化・扱いやすさが変わります。
タンニンなめしとクロムなめし、どちらが良いのですか?
優劣ではなく性質の違いです。タンニンなめしは経年変化を楽しめる硬めの革、クロムなめしは扱いやすく柔らかい革になります。求める使い方で選びます。
経年変化を楽しみたい場合はどちらですか?
タンニンなめしです。使い込むうちに色つやが育ち、自分だけの表情に変化していきます。ヌメ革などが代表的です。
手入れが楽なのはどちらですか?
クロムなめしの方が、水や傷に比較的強く扱いやすい傾向があります。タンニンなめしは味が出る反面、こまめな手入れが前提になります。
コンビなめしとは何ですか?
タンニンなめしとクロムなめしを組み合わせた方法です。両方の長所——ある程度の経年変化と、扱いやすさ——をあわせ持たせることを狙った革です。
まとめ
なめしは、皮を革に変える革づくりの土台です。タンニンなめしは経年変化を楽しめる硬めの革、クロムなめしは扱いやすく柔らかい革。どちらが上ということはなく、性質の違いです。なめしの種類を知れば、その革がどんな表情に育つかを買う前に見通せるようになります。
